当事務所の八木弁護士の記事が山陽新聞レディアに掲載されました!

財産相続人がいないとき

 相続人がいないとき、自分の財産はどうなるのか? ということを考えたことはありますか。

財産を引き継ぐ人がいなければ最終的に国に帰属する可能性

 子ども等の法律上の相続人がいるときでも、相続人が相続放棄をして相続人がいなくなってしまった場合、相続人がいないときと同じ扱いになります。

 そのような相続人がいないとき、申し立てによって、亡くなった人の財産は、裁判所から選ばれた相続財産管理人が管理、調査をします。相続財産管理人が調査して、最終的に引き継ぐ人がいないことが明らかになれば、その財産は国に帰属します。

特別縁故者として申し立てする必要があることも

 ただし、法律上相続人がいないときでも、すぐにその財産が国に帰属するわけではありません。なぜなら、法律上、相続人ではなくとも、亡くなった人と特別な関係にあった人には、特別縁故者として、財産を引き継げる可能性があるからです。自分自身が特別縁故者であると考える人は、家庭裁判所へ申し立てを行う必要があります。

養子縁組をしていない子どもは法律上は他人とみなされる

 この特別縁故者という制度は、必ずしも珍しいものではありません。例えば、親が再婚をして、その再婚相手と子どもが実の親子のように生活していても、再婚相手と子どもが養子縁組をしていなければ、法律上は他人です。

 それゆえ、親が亡くなって、親の財産を再婚相手が相続した場合でも、その再婚相手が亡くなった後、養子縁組をしていない子どもは、その再婚相手の財産を相続できず、結果的に子どもは親の財産を相続できなくなってしまいます。

 このとき、再婚相手に相続人がいなければ、特別縁故者の制度を利用して、子どもは再婚相手の財産を引き継げる可能性が出てきます。

 事実上親子のように生活していれば、財産を相続できるのが当然と考えるのが一般的かもしれませんが、法律上はそのような制度にはなっておらず、このような問題が起きることがあります。

 このように相続においては予測のできない問題が生じることがあります。相続に関して、何か不安に思われた方は、気軽に弁護士にご相談に来ていただければと思います。

山陽新聞 レディア ホームロイヤー(H26.7.23)

2014年7月30日