交通事故事件って何?

交通事故とは交通機関における事故を指します。交通機関ですから、鉄道、船舶、航空機などにおける事故も含まれます。現在であればロケットなども含まれるのかもしれません。岡山市の独自のものとして、路面電車との事故があります。

また、事故は、大きく分けると物損事故、人身事故からなります。物損事故とは、他人に怪我を負わせないで、物を壊してしまった事故を指します。人身事故とは、物損事故とは逆に、他人に怪我を負わせてしまった事故を指します。

裁判になることが多いのは、人身事故の場合です。物損事故においても、壊れた物の所有者が被害者ですから、被害者から加害者に対する裁判は考えられます。しかし、多くの場合、壊れた物の価値は物の現在の相場等から客観的に判断可能ですし、争いになりません。そのため、裁判にまで発展することは稀です。

では、なぜ、人身事故が裁判に発展するのでしょうか。これは、物損事故と人身事故の対比から知ることができます。つまり、人の怪我を客観的に評価することの難しさ、これに尽きるのではないでしょうか。自分が被害者となれば、誰でも自身の怪我を主張します。しかし、この怪我が医療機関の診断書等によって認められないと、他人から見れば、被害者が言っているだけ、ということになります。そのため、被害者の怪我が仮に事実であったとしても、認められることは難しくなります。そこで登場するのが裁判です。逆に、加害者のほうから、被害者に対して、これ以上の損害(債務)は存在しない、という裁判を起こすこともあります。

これが、交通事故事件における主たる争点の一つの損害論です。