弁護士の仕事

弁護士の仕事は、法律相談、紛争の解決、紛争の予防、公益的活動などがあげられます。以前は、紛争の解決に重点を置いた弁護活動がなされていました。しかし、弁護士の数が急増した現在では、紛争の解決ではなく、紛争を未然に防ぐという意味で紛争の予防に重点を置いた弁護活動がなされる傾向にあります。

 

法律相談といっても、どのような相談が法律相談に当たるのか、その判断が難しいと思われます。例えば、「私は離婚したほうがいいのでしょうか」、という相談があったとしても、弁護士は、離婚をしたほうがいいかどうかの判断をすることはできません。離婚をするかどうか、という判断は法的な知識を必要としないためです。このような相談に対する回答は、依頼者様のほうで決めてください、ということになります。そうはいっても、相談をしているうちに、実質的な内容が「私は離婚できるのですか」、というものであることも多々あります。これは、離婚事由の存否、という法的判断を必要とするものです。従って、弁護士が適格に助言することが可能です。

 

紛争の中には、私人間における争いもあれば、行政(国や公的団体)と私人の争いもあります。まれですが、行政間の争いもあります。

 

公益活動といっても、先の衆議院議員選挙における選挙無効確認訴訟から、国選弁護活動まで幅広く存在します。

 選挙無効確認訴訟が認められると、先の衆議院議員選挙は無効となるため、再選挙ということになります(最高裁判所は、選挙無効の判決を出したことはありません)。

 国選弁護活動は、私選弁護活動と同じで、いわゆる刑事弁護活動です。被疑者(被告人)は、法的知識に乏しいため、保障されている防御権をうまく行使できません。そのため、弁護士は、弁護人として被疑者に防御権の適切な行使を助言し、その犯罪事件における適切な結論へと導くよう勤めます。適切な結論とは、犯罪事実そのものを争うこともありますし(無罪弁論)、犯罪事実を認めた上で情状面を争うこともあります(情状弁論)。